保育園の親子と姫神山登山

盛岡の渋民保育園では、夏のお泊まり保育でいつも姫神山に登っていますが、今年は天候不良によって登れませんでした。
しかし、どうしても登山はやりたいということで、10月26日に登ってきました。

姫神山登山に出発!

今回は、城内口から登って一本杉に降りるルートです。ただし、保護者の皆さんには、子ども達よりも15分ほど早く登り始めてもらいました。一緒に登ると、どうしてもお父さん、お母さんに甘えてしまいますからね!

私はもちろん、子ども達と一緒に登ります。スタート前に「登山で一番大事なのは、みんなでお山のてっぺんまで登って、みんなで降りてくることだよ」「例え早く登れたって、誰かが登れなくなったり、降りてこれなくなったらどう?」という話をしました。みんなで力を合わせて登るんだよ、というメッセージです。

「頑張って、登るぞーっ!」と写真を撮ったらいよいよ出発です。

力を合わせて山頂を目指す

歩き始めると、前を歩いているお父さん、お母さんに追いつきたくて、ドンドン先に行こうとする子が数名…
あまりに早く行こうとするので、スタートの時に話したコトを、もう一度その子達に話しました。「全員で登って、全員で降りるのが大事って話したよね?」「ドンドン先に行って、後ろで動けない子がいたらどうする?」
それからは、極端に早く登ろうとする子はいなくなりました。

「一緒に行こうね」と手をつなぐ様子も見られます。
手は繋がなくても良いんですけどね・・。危ない場所ではないので、見守ることにしました。

山の自然に触れながら

登山はただ苦しさを乗り越えて登っていくだけではありません。登る途中で、色々な自然に触れながら登っていきます。
登り始めるとすぐに、落ち葉の絨毯の上を歩いていた子ども達は、顔よりも大きな葉っぱを拾ったり、どんぐりを見つけたりしながら登っていました。
鮮やかに紅葉した木や、葉脈だけが残った葉っぱも見つかりましたよ。

急斜面は助け合いながら

姫神山には、どのコースにも比較的急な斜面があります。城内コースでも、ちょうど中間地点あたりが急な坂になっています。
体力のある子ども達は、それでもどんどん登っていきますが、あまり体力がなかったり、行動がゆっくりペースの子は、離されていくばかりです。

急な坂を登ってきた先頭の子たちに、園長先生が言いました。
「後ろの女の子たちがすごく遅れているんだけど、どうする?」「じゃぁ、手伝いに行ってくる!」
そう言って、登ってきた坂を下りていく男の子たち。

そんな中、「僕は疲れるから行かない」とその場に残った男の子。
みんなが降りなきゃいけないわけじゃないからね。その判断も、大事。

山登りには休憩も必要

登山では、ところどころで休憩しながら登ります。休憩では、もちろん、休む、という意味合いもありますが、水分補給や、お菓子を食べて心と身体のエネルギー補給をします。
暑い夏場ではありませんが、人間が体に取り込める水分量は決まっているので、こまめな水分補給は欠かせません。それほど汗をかいていなくても、運動していれば身体の水分は消費していますからね。
そして、子ども達は、お菓子を食べて気分転換すれば、疲れが吹き飛んでいくこともあります。

しっかり歩いて、しっかり休んで、みんなで山頂を目指します。

山頂手前の岩場に注意!

城内コースにある奇岩、水石と笠石を過ぎたら、山頂まではもう一息です。

笠石からは、私が先頭で歩きます。(笠石までは、私より先を歩いても良いことにしています。ただし、私が見えなくなったら止まって待つことになっています。)
迂回路に入ってからは、追い抜きも禁止です。道が狭くなるし、岩場も出てくるからです。子ども達にも、手と足を上手に使って登るように話をします。年長とはいえ、まだ保育園児の子ども達にとっては、とても大きな岩をよじ登っていきます。

いくつかの岩を登ると、高い木がなくなり、空が開けてきます。
ふと後ろを振り返ると、雄大な岩手山の姿や、下の街並みが広がって見えます。特にこの日は空気が澄んでいて、遠くの景色まではっきりと見えました。

後ろの景色を時々振り返りながら登っていくと、前方から何やら声が聞こえてきます。

お父さん・お母さんの待つ山頂に到着!

先に登っていたお父さん、お母さんたちの姿が見えました。
頑張って登ってきて、とても雄大な景色に高揚していた子ども達ですが、お父さん、お母さんを見つけた子ども達の表情は、一段と明るくなった気がしました。

お父さん、お母さんも、我が子が登ってくるのを見つけては、ギュッと抱きしめています。
どんな景色もお父さん、お母さんには勝てませんね。

みんなで登頂の記念写真を撮って、お昼ご飯になりました。

下りはみんなで

山頂でお昼ご飯を食べた後の下山は、お父さん、お母さんと一緒に下ります。
下りルートの一本杉コースは、姫神山では一番メジャーなルートで、よく整備されています。階段が多いので、個人的にはあまり好きではないのですが・・

私が先頭で下っていきますが、下りの途中でお母さんの足が痙攣する、というアクシデントがありました。
水分を取ってもらったり、筋肉を伸ばしたり、マッサージをしたりして再度歩き始めましたが、今度は別の場所が痙攣しました。搬送することも考えましたが、なんとか歩きたい、というお母さんの意志もあり、様子をみることにしました。
途中で何度か筋肉を伸ばしたり、マッサージをしたりしながらでしたが、最後まで歩ききっていただきました。

普段あまり運動されていないお家の方だと、こういうこともありますよね。来年は、ケガだけでなく、足の痙攣対策も考えていかないといけないなと感じました。

そんなこんなで、全員が無事にゴールにたどり着きました!
一本杉登山口の駐車場で、ジュースで乾杯をしてお祝いです。みんな、本当によく頑張ったね。
これからも、力を合わせて色々な行事を乗り越えて、立派な小学一年生になってくださいね!